お父さんとお母さんが子供の頃にも食べました。
おじいちゃんとおばあちゃんが子供の頃にも食べました。
もしかしたら、ひいおじいちゃんとひいおばあちゃんが子供の頃にも食べたかもしれません。
・・・そんなビスケットって、聞いたことありますか?
実は、マリーという名前はマリーアントワネット妃に由来し、ビスケットのまわりのデザインは家紋を表現しているといわれ、世界中で親しまれている由緒正しきビスケットなのです。
1923年(大正12)。森永が国内向けとして、初めて発売したビスケット。それは、16種類のビスケットが美しい印刷化粧缶に入った贈答用の詰め合わせでした。その中の一つとして、マリーは誕生しました。
しかし、まだまだ高級品だったビスケットは一般の人が簡単に手に入れられるものではありませんでした。そこで、3年後の1926年(大正15)。より多くの人にビスケットを食べてもらえるようにと、ボール紙にワックスを塗ったパッケージが考案され、その第一号としてマリーが選ばれたのです。ほんのり漂う牛乳とバターの香りに、当時の人々は、新鮮でとても贅沢な気持ちを味わっていたといいます。
マリー誕生から約80年。マリーは森永のビスケットの顔として歩み続けてきました。一時は戦争により軍納製品となり、一般の人々から遠ざかったこともありました。また、原材料が入手できず、生産がストップすることもありました。しかし、人々の待ち望む声に応えるかのように、マリーは再び姿を見せてくれたのです。
その時代時代を捉えた、パッケージやCMとともに、マリーの優しくシンプルな味は、あきさせない味として、親から子へ、子から孫へと引き継がれています。
また、最近では、料理人を初めとした多くの方々が、マリーを創作デザートの材料として楽しんでいます。牛乳に浸してシットリとさせたり、細かく砕いたり、炙ってみたり・・・
これほまでに幅広く応用が利くのも、マリーがシンプルで品のある味だからこそなのです。
マリーから始まった、パッケージビスケット。それは、チョイス、ムーンライトなどの定番商品をいくつも生み出しました。そして、更にバリエーションを広げ、リーフィやシルフィなどパイ型タイプの製品へと、今尚、森永ビスケットは進化し続けています。
1923年の発売以来、マリーは森永製菓の長年のPRにより日本に定着した、との評価を受け2004年に森永の商標として登録されました。