当社グループは、新たな企業理念のもと、持続可能な社会の実現に貢献しつつ中長期的な成長を遂げ企業価値を高めていくため、2030年に向けた長期経営計画として「2030経営計画」を策定いたしました。本計画では財務・非財務の両面から重要経営課題を統合し、サステナブル経営を実践してまいります。
2030年の目指す姿として2030ビジョン『森永製菓グループは、2030年にウェルネスカンパニーへ生まれ変わります。』を定めました。「ウェルネス」とは、「いきいきとした心・体・環境を基盤にして、豊かで輝く人生を追求・実現している状態」と定義し、顧客・従業員・社会に、心の健康、体の健康、環境の健康の3つの価値を提供し続ける企業になることを目指してまいります。120余年の歴史で培った信頼と技術を進化させ、あらゆる世代のウェルネスライフをサポートしてまいります。
バックキャスト思考により3つの基本方針及び経営計画を策定
方針1事業ポートフォリオの転換と構造改革による収益力の向上
高い収益性、成長性が見込める事業として、「inゼリー」など「in」ブランドを中心とするin事業、通販事業、米国事業、冷菓事業を選定し、これらを重点領域と定めました。重点領域への経営資源集中によって当社グループの成長を牽引してまいります。
菓子事業、食品事業など着実な売上高拡大と収益力向上を目指す事業を基盤領域と定め、重点領域への投資原資の安定的な創出に取り組んでまいります。
新たなビジネスモデルの創造、グローバルにおけるウェルネス商品開発など、新たな取組みを総称して探索・研究領域と定め、次世代成長を担う新事業の育成を目指してまいります。
重点領域への投資原資を創出するとともに、様々な経営リスクに備えるべく、調達、製造、物流、販売など機能部門を中心に、全社的に構造改革を実行していくことで、収益力のさらなる底上げに取り組んでまいります。
方針2事業戦略と連動した経営基盤の構築
「2030経営計画」の達成に向けた事業戦略と連動し、「人材」「技術」「キャッシュ」そして「デジタル」という経営に不可欠なリソースを最大限活かすことで経営基盤をより強固なものにしてまいります。併せてコーポレートガバナンスの改革を推し進め、経営の透明性向上を図ってまいります。
方針3ダイバーシティの推進
「一人ひとりの個を活かす」という考えのもと、ダイバーシティ&インクルージョンを推進することで、多様な人材が活躍できる環境・風土をベースに、社会課題の解決につながる新しい価値(イノベーション)を創出できる環境の整備を推し進めてまいります。
2022年3月期を初年度とする「2021中期経営計画」では、「2030経営計画」の達成に向けた1stステージと位置付け、「飛躍に向けた新たな基盤づくり」をテーマに事業活動を推進してまいります。長期トレンドとして原材料費高騰や人件費上昇など厳しい経営環境の継続が見込まれますが、重点領域の成長、経営基盤の構築に向けて積極的な投資を図ってまいります。他方、基盤領域及び機能部門を中心とした構造改革により、収益力のさらなる向上の実現を目指してまいります。
「inゼリー」を中心としたin事業や「おいしいコラーゲンドリンク」などの通販事業の拡大、米国事業における「ハイチュウ」ブランドの拡充、冷菓事業の成長に向けた高収益体制の構築などの重点領域に経営資源を集中してまいります。
菓子事業、食品事業においては、高収益基盤の構築に向けて「ハイチュウ」「森永ビスケット」「森永甘酒」など主力ブランドへの集中による売上高拡大及び効率性と収益力向上に取り組むことで、重点領域への投資原資の安定的な創出を目指してまいります。
製造部門のスマートファクトリー化や販売部門の組織最適化により生産性を高めるとともに、デジタル技術を活用した全社的な効率化により収益力の向上を図ってまいります。
2022年3月期には研究所を新設し、新たな価値を創造することで事業戦略を横断的に支えてまいります。また、デジタル技術を活用して事業活動を変革するべく、生産性を高めるための取組みを推進いたします。
さらに、強固な経営基盤の構築に向けて次期基幹システムの検討を進めてまいります。
重点領域の成長、基盤領域の収益力向上によって創出したキャッシュを、重点領域の拡大、経営基盤の構築、総還元性向も意識した株主還元及びインオーガニックを含むさらなる成長投資に活用してまいります。また、広告、R&D、DX等の無形投資により中長期の成長への基盤づくりも推し進めてまいります。